HONMEMO

読書備忘録です。

私の文学史/町田康

町田康の自分語り。高尚な言葉、建前の言葉と卑俗の言葉、本音の言葉。前者は欺瞞の言葉、後者は公にすると面白くなる。

詩は、わからんけどわかるもの。重大なことを書くと面白くなくなる、

文体は、その人の意思そのものであり(癖ではない)、工夫している。

文章が上手くなるには本を読むしかない。文体のチェックポイントは、1オートマチックな言葉遣いになっていないか、2言葉の背景、景色を理解して使うこと、3オリジナリティに拘泥しないこと。

面白いことを書くということは、この世の真実を書くこと。(差別されない領域にいる人が)「それは、暴論、極論だ」というのが差別意識の正体であり、(その領域にいる人が)この世の真実として言えば差別にならない。この真実を隠す建前を破壊するのが文学。

文章を書く上で自意識を克服することに苦労する。プロの作家は、この自意識を完全に失ったひと。

古典に触れるメリットは(嘘くさい)熱狂を遠ざけること。偏屈であることが熱狂を遠ざける。