23歳で戦死した竹内浩三の短い人生を姉の目を通して描く第1章、彼が残した詩と出会ってそれを広めていった人々の思いを描く第2章、そして竹内浩三の死地バギオを訪れる第3章。第1章が一番面白く、第3章は無い方がよっぽどマシという感じ。
竹内浩三の「骨のうたう」はすばらしい。この詩を知るためにだけでも本書を読む意味はあるといえよう。ただ、解説の出久根達郎が、竹内浩三が「骨のうたう」で脚光を浴びたのは反戦詩人とのレッテルを貼られて不幸なことだったと書いているが、まさにそのとおりで、本書でも、ユーモラスな「金がきたら」などの紹介を含めて氏の青春が描かれる部分が圧倒的にいい。
大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
ぼくもいくさに征くのだけれど―竹内浩三の詩と死 (中公文庫)
- 作者: 稲泉連
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
760円@近所の本屋さん